はじめてのJ-REIT
REITのリスク
価格変動リスク
- REITは預金や債券のように元本が保証されているわけではありません。証券市場に上場しているため、需給関係によって投資口価格が上下します。株式市場全体や不動産市況の影響を受けるため、個別の業績に変動がなくても株式と同様に価格が下落する場合もあります。
また投資法人によっても投資口価格の変動要因は異なります。各決算時の分配の権利確定、投資口の追加発行、資産の取得及び売却、決算発表、スポンサーの交代、合併等によって価格が変動する傾向にあります。
収益変動リスク
- REITの投資家は決算期毎に分配金を受け取る権利がありますが、分配金は確定されたものではありません。
地震など自然災害による建物の毀損、テナントの退去・未納、賃料減額、物件の売却損など、資産運用会社の能力や経済情勢によって収益が増減するため、分配金が減少する可能性があります。また増資を行うことにより利益が増加しても1口当たり分配金が減少する場合もあります。
金利変動リスク
- REITは投資家から資金を募る他、金融機関からの借入金によって不動産を取得します。このため金利が上昇すると、利息負担が増加するため、収益の減少要因となります。
また金利上昇により、REITの分配金利回りと国債等の債券市場とのリスクスプレッド(利回り差)が減少した場合、投資口価格が下落する場合もあります。
運用体制に関するリスク
- REITの運用を行う資産運用会社には、スポンサーによる人員提供や不動産の開発、不動産の管理等、設立後もスポンサーがREITの運営に深く関わっています。従ってスポンサーとの利益相反が生じやすい仕組みと言えます。このため、投資法人は外部者を含めたコンプライアンス部門の設置や徹底した情報開示を行うことで、利益相反によるリスクを回避する意向を示しています。
投信法及び不動産に関わる法、税制度等の変更に関するリスク
- REITに関わる様々な法制度の変更により新たに規制が掛かる場合、資産及び投資元本の価値が変動する可能性があります。
投資法人の倒産及び上場廃止リスク
- REITも一般の企業と同様に倒産リスクがあります。金融機関の融資環境の変化や投資法人の収益低下に伴うキャッシュフロー悪化から、資金調達が出来ず倒産に陥るリスクがあります。但し、仮に破綻となった場合でも、不動産の価値はゼロにはなりません。理論上は精算時に不動産を売却すれば、投資資金が戻る可能性があります。
また証券取引所の上場廃止基準に該当した場合、上場廃止となるリスクがあります。
※上場時や増資時に発行される目論見書、決算毎に開示される報告書等には、その他リスクが詳細にわたって記載されています。投資する際にはそれらをよく読み、リスクを確認することが重要です。