野村不動産オフィスファンド投資法人(NOF)は、三大都市圏や政令指定都市にあるオフィスビルへの投資に特化している。また、資産運用会社は国内最大級である。物件取得は、野村不動産グループを活用。
野村不動産オフィスファンド投資法人(NOF)は、繁華性が高い場所や、最寄り駅から近いなど立地条件が良い物件が多く、またテナントが有名企業である物件が多い。そのうえで、NOFは投資の安定性と成長性を重視するため、長期投資を基本としている。ただ、その分だけポートフォリオには築年数が長期化した物件が目立つ。
NOFは長期にわたり、投資口のパフォーマンス(価格の騰落率)が、J-REITの中では最も低迷した銘柄だった。暦年の四半期ベースで比較すると、09年第1四半期以降、15年の第1四半期までの25四半期のうち、NOFの騰落率が東証リート指数の騰落率を上回ったのは、8四半期にとどまる。言い換えれば、対東証リート指数で勝率は32%(8勝17敗)であり、全体の約3分の2は、リート市場の平均的なパフォーマンスを下回った。なお、NOFが東証リート指数のパフォーマンスを上回った8四半期とは、09年第1四半期、10年第4四半期、11年第1四半期、12年第1四半期と同第3四半期、13年第3四半期、14年第3四半期と同第4四半期だった。
この低迷の要因として、物件の平均築年数が、J-REITのなかでは最も長い25年超であることから、賃料の引き下げ圧力が強まりやすいことや、修繕費の増加が懸念されることが、投資口の価格動向に悪影響を与えたとみられる。
ただし、昨年の下半期以降を見ると、NOFの騰落率は東証リート指数を上回るか、ないしはほぼ同程度で推移している。これを、長期的な低迷からの回復の兆しと見る向きもある。とりわけ、悪材料視されてきたJALビルの賃料減額改定について、足下ではマーケットでの織り込みが進んだ可能性が高い。加えて、オフィスマーケット賃料が改善局面に入るとの市場の思惑も、投資口価格の下支えになっているようだ。
とはいえ、築年数の長期化という問題を含めて、ポートフォリオの内容を改善しないことには、指数を継続的にアウトパフォームするとは難しいだろう。この観点からは、今後の物件の入れ替えが期待される。実際、NOFもそれを検討・推進するとしている。なお、今後、仮に物件入れ替えがあるとして、その際の売却損の発生に対して市場が前向きに評価するかどうかが、当該銘柄を再評価する動きの有無を占う意味で注目されよう。
15年 | 14年 | 13年 | 12年 | ||||||||||
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四半期 | 1Q | 4Q | 3Q | 2Q | 1Q | 4Q | 3Q | 2Q | 1Q | 4Q | 3Q | 2Q | 1Q |
東証リート | -2% | 14% | 5% | 9% | -3% | 0% | 8% | -15% | 47% | 9% | 7% | -3% | 19% |
NOF | -2% | 19% | 5% | 6% | -8% | -3% | 16% | -38% | 42% | 2% | 9% | -9% | 25% |
NOF-東証R | 0% | 5% | 0% | -3% | -5% | -3% | 8% | -23% | -5% | -8% | 2% | -5% | 6% |
野村オフィスファンドの投資物件は、野村不動産グループの情報経路を使って見出したオフィスビル。投資額でみれば東京にある物件が6割を占める。交通の利便性は良いが、築年数がかなり長い物件が多い。
物件1
物件2
物件3
物件4
物件5
2015年04月15日時点
項目 | データ |
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銘柄名 | 野村不動産オフィスファンド投資法人 |
略号 | NOF |
コード | 8959 |
設立 | 2003年8月 |
上場 | 2003年12月 |
決算 | 4月・10月 |
運用会社 | 野村不動産投資顧問 |
資産管理会社 | 三菱UFJ信託銀行 |
投資対象 | 大都市圏のオフィスビル |
系列 | 野村不動産グループ |
総資産 | 4,356億円 |
純資産 | 2,155億円 |
投資口 | 372,553口 |
時価 | 594,000 円(15年4月15日) |
時価総額 | 2,212億円(15年4月15日) |
52週高値 | 629,000円(15年1月21日) |
52週安値 | 433,500円(14年4月25日) |
売買単位 | 1口 |
格付け | A-(S&P長期)、A+(R&I) |
投資主 | 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 (21.40%) 日本生命 (7.45%) |
主幹事証券 | 野村、日興、三菱UFJモルガンS |
※財務テータは14年10月末現在
決算期 | 項目 | 単位 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
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4月 | 営業収益 | 百万円 | 13,686 | 13,117 | 12,441 | 12,673 | 12,260 | 12,959 |
当期純利益 | 5,034 | 4,428 | 3,902 | 4,026 | 3,630 | 3,539 | ||
1口当り分配金 | 円 | 16,500 | 14,512 | 12,790 | 12,412 | 10,000 | 9,500 | |
10月 | 営業収益 | 百万円 | 13,364 | 13,637 | 12,701 | 12,378 | 13,105 | ━ |
当期純利益 | 4,479 | 4,627 | 3,912 | 3,635 | 3,941 | ━ | ||
1口当り分配金 | 円 | 14,681 | 14,837 | 12,824 | 10,000 | 10,579 | ━ |
※15年は会社予想
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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