2019年02月15日

サンケイリアルエステート投資法人(3月12日上場予定)

上場承認銘柄の有価証券届出書を読む

2月7日、東証はサンケイリアルエステート投資法人(以下同投資法人)の上場を承認した。
上場予定日は2019年3月12日にて、予定通りに手続きが進めばJ63銘柄目となる。

株式会社フジ・メディア・ホールディングス(東証1部)の連結子会社である株式会社サンケイビルをスポンサーとする同投資法人だが、上場時のポートフォリオはオフィス7棟、ホテル1棟の計8棟、金額規模は約434億円(取得価格ベース)。
LTVは上限を60%としつつも、40~50%のレンジで運営していくことを予定している。

投資方針としては、オフィスビルが8割程度、その他用途不動産から成るサブアセットは2割程度(いずれも取得価格ベースの数字)のポートフォリオ構成を目指しており、上場時ポートフォリオから概ねその構成となっている。
物件レベルで見ると、サブアセットに属する「ホテル インターゲート東京 京橋」が取得価格シェア及び総賃貸可能面積の双方において約20%と最大シェアとなり、「旗艦物件」といっても差し支えない存在感を示している。

また、同投資法人の特色として、『メディア系デベロッパーをスポンサーとするJ-REIT』という点を挙げており、放送事業等のメディア事業を持つ企業群が、コンテンツ力(ものごとに新たな価値を創出する力)とメディア展開力(人と人をつなぐメディアを通じて、かかる「コンテンツ力」を展開させてゆく力)を源泉として、「資産循環型ビジネスモデル」を構築して中長期的な成長をめざすとしている。
具体的には、
①フジ・メディア・ホールディングの「都市開発・観光」事業を推進するサンケイビルグループとの相互の成長貢献
➁サンケイビルグループの開発・運営管理機能を活かした成長戦略
③都心オフィスビル中心の良質なポートフォリオ
を、インベストメント・ハイライトとしている。

この「資産循環型ビジネスモデル」については、「本投資法人が、サンケイビルグループにおいて投資・開発された不動産を取得・保有し、その資産規模を拡大するとともに、他方で、サンケイビルグループも資産売却によって得た資金を新たな不動産投資・開発の創出へとつなげ、投資・開発される不動産がさらに本投資法人の投資対象(候補物件)となる、という資産循環を生み出すこと」と説明しているが、言い換えればスポンサーの開発・取得した物件を購入し、スポンサーはその資金をさらなる物件開発・取得に繋げ、それがまた同投資法人のパイプラインやポートフォリオに組み込まれていくという一連のループを構築するということにて、外部成長について積極的にスポンサーが関与することを強調している。

『メディア系デベロッパーをスポンサーとするJ-REIT』を前面に打ち出した新規投資法人であり、フジ・メディア・ホールディングス・グループの持つ「都市開発・観光」、「メディア・コンテンツ」両事業を基盤とした投資法人の成長を具体的にどのように行ってゆくのか、また投資家にアピールしてゆくのか、今後の投資法人運営に注目してゆきたい。

決算発表動画
物件取得価格ランキング
1 新宿三井ビルディング 1,700億円
2 飯田橋グラン・ブルーム 1,389億円
3 六本木ヒルズ森タワー 1,154億円
4 汐留ビルディング 1,069億円
5 東京汐留ビルディング 825億円
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