2018年06月19日

CRE、シンガポール系物流不動産企業に出資

6月11日週のニュース概観

(写真/iStock)

概況

6月12日、株式会社シーアールイー(以下、CRE)が海外子会社を通じてシンガポール系物流不動産企業の株式30%を第三者割当増資で取得したことを発表した。
株式取得対象となったのは、シンガポール政府系企業Sembcorp Development Ltdの子会社 Sembcorp Infra Services Pte. Ltdである。
同社はシンガポール政府とベトナム政府が共同で開発を推進しているVSIPハイフォン複合都市・工業団地区内で物流施設の開発・運営を行っており、現時点で稼働中の物流施設2件を保有し、物流施設1件の開発を進めている(着工と竣工は2019年内を予定)。
Sembcorp Infra Services Pte. Ltdは当初Sembcorp Development Ltdの100%子会社であったが、今回のCREの出資により前者70%、後者30%という株主構成に変更される。
CREは今回の出資を通じ、日系製造業の進出・集積が進むベトナムに橋頭保を築き、拡大する物流需要を積極的に取り込んでいく考え。

日本企業による東南アジアでの不動産事業参入は依然として活発のようで、6月15日には阪急阪神不動産株式会社(以下、阪急阪神不動産)がタイにおける4件目の分譲マンション事業を発表した。
発表によると、阪急阪神不動産は現地デベロッパーのセナ・デベロップメントと組んでサムットプラカン県バーンプリー郡において総戸数790戸の分譲マンション開発・販売を行うという(当該マンションの竣工は2020年12月予定)。
なお当該マンションの開発が行われるサムットプラカン県バーンプリー郡は、首都バンコクの東隣に位置し、首都中心部は勿論、スワンナプーム国際空港や南東部の工業集積地へのアクセスにも便利な立地となっている。

日付は前後するが、6月14日、ヒューリック株式会社(以下、ヒューリック)が高級旅館運営会社を子会社化すると発表した。
今回、子会社化の対象となるのは「ふふ」ブランドで高級旅館を開発・運営している株式会社KHリゾートマネジメント。
同社は以前からヒューリックの持分法適用会社だったが、7月2日付でヒューリックを引受先とする第三者割当増資を行い、同社の子会社となる(第三者割当増資実施後のヒューリックの株式保有率は86.7%)。この子会社化に合わせ、株式会社KHリゾートマネジメントは「ヒューリックふふ株式会社」に会社名も変更する。
今後、ヒューリックふふ株式会社は第三者割当増資でヒューリックから調達した資金等を元手に、「ふふ」ブランドでの開発・出店を積極的に進めていくという(2018年10月から2021年秋までに計6件の旅館が開業する見込み)。

物件動向

6月11日週の物件動向だが、以下の案件の発表があった。

a.東京都港区:「(仮称)赤坂二丁目プロジェクト」
森トラスト株式会社が推進している「(仮称)赤坂二丁目プロジェクト」だが、国家戦略特別区域計画に認定されたことが6月15日明らかになった。
当該プロジェクトは赤坂ツインタワー跡地を中心とした敷地約1.6万㎡に地下3階地上43階、延床面積約22万㎡のビルを建設し、オフィスやホテル等から成る複合施設として活用しようというもの。2019年度内の着工と2024年度内の竣工を予定している。
「(仮称)赤坂二丁目プロジェクト」が認定された国家戦略特別区域計画とは、国際的なビジネス拠点の創出を狙った政府の支援策で、認定された場合、事業者は容積率やその他各種法規制の緩和、税金の軽減、金利補給金による利子負担軽減といった措置を享受することが可能となる。
今回の国家戦略特別区域計画認定を追い風として、赤坂一帯が一大国際ビジネス拠点として生まれ変わることができるか、今後に注目したい。
決算発表動画
物件取得価格ランキング
1 新宿三井ビルディング 1,700億円
2 飯田橋グラン・ブルーム 1,389億円
3 六本木ヒルズ森タワー 1,154億円
4 汐留ビルディング 1,069億円
5 東京汐留ビルディング 825億円
株価値上り率ランキング
1 スターツプロシード +1.25%
2 KDX不動産 +0.94%
3 日本アコモ +0.77%
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