2018年12月20日

底堅さと勢いの鈍さが同居する日本経済

12月10日週のマーケット概観

(写真/iStock)

マーケット全般

12月10日週については、10日の7-9月期GDP2次速報と11月景気ウォッチャー調査、そして12日の機械受注統計、14日の12月日銀短観と注目度の高い景気指標の発表が続いた。
まず7-9月期GDP2次速報については、事前予想のコンセンサスは前期比年率-2%だったが実際の結果はそれを下回る-2.5%となった。
下方修正の主因は、7-9月期の自然災害を背景とした企業設備投資の減少が調査結果に織り込まれたことである。来期(10-12月期)には自然災害による悪影響が薄まることで反動増が見込まれるが、輸出の動向によってはそれが緩やかな改善に留まる可能性もある。
11月景気ウォッチャー調査は、現状判断DIが51.0ポイント、先行き判断DIが52.2ポイントとそれぞれ前月比で改善した。
改善の要因としては自然災害という一時的マイナス要因の影響が落ち着いたことに加え、消費税増税前の駆込消費の動きが出てきたこと、そして雇用・給与環境の改善傾向が現状は勿論、景気の先行き観にもプラスの影響をもたらしていると見られる。
12日に発表された10月機械受注統計(船舶・電力除く)の数字は前月比+7.6%となった。
自然災害等の影響で大きく落ち込んだ先月からはリバウンドしたものの、市場予想の+10.0%には届かなかった。
14日に発表された12月日銀短観は、大企業製造業の業況判断DIが+19ポイントとなった。数字自体は前月と変わらずだが、市場では前月を下回る+17%を想定する声が多かっただけにポジティブな結果といえる。
また大企業非製造業の業況判断DIも市場コンセンサスを上回る+24ポイントを記録した。
これら指標を総じて見ると、景気の先行きについては米中貿易戦争が輸出に与える影響を中心に慎重な見方が強いが、国内では労働力需給の逼迫による労働者給与の改善、企業の省人化・無人化投資の推進が続いており、勢いは兎も角、景気の方向性としては改善基調が続きそうである。

12月10日週は、前半で中国景気への懸念が強まったことにより、TOPIXは1,600ポイント割れ、東証J-REIT指数は1,800ポイント割れと、ともにほぼ2か月ぶりの価格水準まで落ち込んだ。
ただし、その後、東証J-REIT指数が切り返して1,800ポイントを回復して1週間の取引を終えたのに対し、TOPIXは1,600ポイントを割った状態で1週間の取引を終えた。
足許のファンダメンタルが悪くないことは株式もJ-REITも同じだが、それが素直に評価されているJ-REITと米中貿易戦争という不透明要因のせいで投資家の警戒感を払拭しきれない株式の差が出た一週間であったと言えよう。

J-REIT市場

(著者都合により、今回はお休みとさせて頂きます)

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