2018年11月27日

決算説明資料拾い読み グローバル・ワン不動産投資法人

2018年9月期(第30期)決算説明資料

投資法人が短信発表後に出す決算説明資料。
投資法人の今期の運用成績と来期以降の見通しを示す貴重な資料です。
その決算説明資料の中から、目を引いたり気になった点を独断と偏見で抜き出してみたいと思います。

今回取り上げるのは、11月15日に開示されたグローバル・ワン不動産投資法人の第30期(2018年9月期)決算説明資料です。
グローバル・ワン不動産投資法人は、明治安田生命保険グループと三菱UFJフィナンシャルグループ、そして近鉄グループを主要スポンサーとし、オフィスを投資対象とする資産規模が1,820億円超(取得価格ベース)のJ-REITです。

そんなグローバル・ワン不動産投資法人の第30期決算説明資料で目を引いたのが以下の項目です。

1.稼働率の高位安定
需要の強さに支えられてオフィス賃貸市況が好調なことは周知のとおりですが、グローバル・ワン不動産投資法人のポートフォリオもその恩恵に外れることなく、2018年9月末時点でのポートフォリオ稼働率は98.8%を記録し、第27期(2017年3月期)から4期連続で98%以上の稼働率をマークしています。
逆に稼働率が高いとさらなる収益性向上の余地が限られてしまうように思えますが、不動産賃貸事業収益の10%近くを占める横浜プラザビルが2018年9月末時点で93.6%、2019年2月末見込みで95.9%とやや出遅れているので、当該物件のリーシングによる伸び代が賃料増額改定と並ぶ収益性向上のエンジンとして期待できるでしょう。

2.物件の取得
第30期の物件取得はゼロとなりました。
いわば、目標として掲げている資産規模2,000億円を前に足踏みしている状態と言えるでしょう。
ここでグローバル・ワン不動産投資法人の資金調達を考えると、同投資法人の鑑定評価額ベースでのLTVは43.7%。これを多くのJ-REITで上限としている50%まで引き上げるとすると136億円相当の借入余力があることになります。
現在グローバル・ワン不動産投資法人が保有する物件の規模感で考えると1物件を取得し、資産規模は目標である2,000億円に届くか届かないかの位置になる金額です。
それならば、増資と組み合わせて調達額を増やすと同時にLTVの上昇を抑制し、目標としている資産規模2,000億円突破を確実にする方策も考えられます。
物件の高値掴みを避けることは重要でありますが、やはりJ-REITにとって収益力を向上させるために外部成長は避けては通れません。
その意味で、グローバル・ワン不動産投資法人は今後どのようなタイミングと金額で外部成長を目的とした資金調達を行うのか、実に興味深い所です。

以上がグローバル・ワン不動産投資法人の第30期決算説明資料で気になった点です。

決算発表動画
物件取得価格ランキング
1 新宿三井ビルディング 1,700億円
2 飯田橋グラン・ブルーム 1,389億円
3 六本木ヒルズ森タワー 1,154億円
4 汐留ビルディング 1,069億円
5 東京汐留ビルディング 825億円
株価値上り率ランキング
1 日本プロロジス +1.60%
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3 ラサールロジ +1.08%
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