2017年12月04日

インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人、投資対象資産に不動産関連ローン債権を追加へ

11月27日週のニュース概観

(写真/PIXTA)

概況

11月27日、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人が2018年1月10日付で資産運用会社の運用ガイドラインを変更し、投資対象資産に不動産関連ローン等資産を追加すると発表した。
当該変更が2018年1月10日の投資主総会決議によって確定した場合、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人は総資産の5%を上限として不動産関連ローン債権に投資することが可能となる。
J-REITによる不動産関連ローン債権への投資としては、10月31日にホテルを保有する特別目的会社の劣後ローン債権を取得したスターアジア不動産投資法人という前例がある。今後、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人が二番手として続いてくるか注目される。

11月29日、素材大手の三菱マテリアル株式会社(以下、三菱マテリアル)が不動産事業子会社を米国ファンドに売却すると発表した。
売却されるのは、三菱マテリアルグループ内で不動産賃貸業を展開していた三菱マテリアル不動産株式会社の株式100%。同社の発表日時点の財務状況は総資産295億円、純資産94億円となっている。売却相手は米国ファンドFortress Investment Group LLC傘下のフォートレス・バリュー・プロパティーズ・ホールディングス合同会社で売却額は非開示。株式譲渡日は2018年2月28日。
近年、企業保有不動産の売却や有効活用が盛り上がりつつあるが、企業価値の向上や保有資産の有効活用を狙った前向きの動き以外に、東芝や神戸製鋼、そして今回の三菱マテリアルのように不祥事に直面した企業の建直しや資金繰り等を目的とした動きも盛上げ役の一翼を担っているのは皮肉である。

11月30日、新日鉄興和不動産株式会社が物流不動産事業への本格参入と当該事業第一弾となる物件開発計画を発表した。
発表によると、同社は新日鉄住金グループの遊休地活用を含め、首都圏、関西、その他エリアで広く物流不動産事業を展開していくという。
その第一弾として開発されるのは、「LOGIFRONT越谷I」。埼玉県越谷市の外環道「草加IC」から約6km、東北自動車道「浦和IC」から約10kmの敷地約2.7万㎡に地上4階建て、延床面積約6.6万㎡の物流施設を開発する。12月1日に着工し、2019年2月に竣工を迎える予定。
なお新日鉄興和不動産はジャパンエクセレント投資法人の主要スポンサーの一つとなっているが、当該投資法人はオフィスをポートフォリオの9割以上、残りを住居や商業施設とする投資方針をとっており、物流施設は投資対象に含まれていない。

物件動向

11月27日週の物件動向だが、主なものとして以下の2件の発表があった。いずれも関西圏でのホテル開発である。

a.大阪府大阪市:「ホテル ユニバーサル ポート ヴィータ」計画
11月29日、オリックス不動産株式会社と人気テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(以下、USJ)の運営会社である株式会社ユー・エス・ジェイが現在開発中のホテルについてオフィシャルホテル契約を締結した。
当該契約の対象となるホテルは、オリックス不動産が大阪市此花区で開発中の「ホテル ユニバーサル ポート ヴィータ」。既にUSJオフィシャルホテルとして運営を行っているホテル ユニバーサル ポートに近隣の敷地約4,500㎡に地下2階地上15階、延床面積約3.5万㎡、総客室数428室のホテルとして2018年夏に開業を迎える予定。
オリックス不動産が開発・運営するものとしては前述のホテル ユニバーサル ポートに続く2つ目のUSJオフィシャルホテルとなる。
b.奈良県奈良市:「JWマリオットホテル奈良」計画
12月1日、森トラスト株式会社が奈良市三条大路の敷地約4,000㎡で進めているホテル開発計画について同日付での着工を発表した。
当該ホテル開発は、奈良県が主導する大型再開発計画「大宮通り新ホテル・交流拠点事業」の核となるもので、史跡や観光名所へのアクセスに優れた奈良市中心部に地下1階地上6階、延床面積約1.8万㎡、総客室数157室の国際ホテルを建設し、いまだ活発なインバウンド需要を取り込もうとするもの。開業は2020年春を予定している。
決算発表動画
物件取得価格ランキング
1 新宿三井ビルディング 1,700億円
2 飯田橋グラン・ブルーム 1,389億円
3 六本木ヒルズ森タワー 1,154億円
4 汐留ビルディング 1,069億円
5 東京汐留ビルディング 825億円
株価値上り率ランキング
1 日本ビルファンド +1.34%
2 ジャパンリアル +1.31%
3 アドバンス・ロジ +1.17%
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