ケネディクス・レジデンシャル投資法人は、全国の賃貸住宅への投資に特化している。また、一部、社宅や学生寮、また高齢者向け住宅にも投資を行う。
①不動産のプロフェッショナルとしての知識・経験による「目利きを活かした着実な外部成長」、②ケネディックスの賃貸住宅管理のノウハウを生かした「効率的な収益マネジメント」、及び③既成概念にとらわれず柔軟に機動的に「新しい取組みへの挑戦」を行う、という三つの基本戦略に基づき投資・運用を行うとしている。そのうえで、安定した賃貸収益の獲得と資産規模の着実な成長を実現し、投資主利益の最大化を目指す。
KDRは、12年4月の上場以来かなりの期間にわたり、投資口価格のパフォーマンス(騰落率)が目立たなかった。12年7-9月期以降、13年7-9月期までの5四半期の騰落率をみると、このうち4四半期で、KDRのパフォーマンスは東証リートのそれを下回った。しかし、13年10-12月期以降15年1-3月期までの6四半期では5度、KDRのパフォーマンスが東証リートのそれを上回った。とりわけ、直近は3四半期続けてKDRが東証リート指数を上回っていることからみれば、KDRのパフォーマンスは回復基調にあると言えそうだ。
15年 | 14年 | 13年 | 12年 | ||||||||||
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四半期 | 1Q | 4Q | 3Q | 2Q | 1Q | 4Q | 3Q | 2Q | 1Q | 4Q | 3Q | ||
東証リート | -2% | 14% | 5% | 9% | -3% | 0% | 8% | -15% | 47% | 9% | 7% | ||
KDR | 3% | 29% | 19% | 6% | -2% | 6% | -3% | -3% | 21% | 9% | -3% | ||
KDR-東証R | 5% | 15% | 15% | -3% | 1% | 6% | -11% | 12% | -26% | 0% | -10% |
その背景として、公募増資や低金利での借り入れによる外部成長が継続していることがある。とりわけ、パフォーマンスが上がらない要因と推測される地方物件の比率の高さが、改善してきた。実際、KDRは近時、東京や主要大都市中心部での大規模物件の取得が目立つ。これは、2年連続で実施された増資の効果の一つと言える。同時に増資による資産の拡大で、東京株式市場での流動性が高まることも、パフォーマンスの向上につながっているとみられる。その結果、14年1月期では、投資口時価総額1000億円と安定分配金6000円という運用目標を超えた。
一方、14年1月末は51.4%だった総資産有利子負債比率(LTV)が、同2月の公募増資により46.6%(当時の会社試算による)に低下した。今後50%程度まで上げると仮定した場合、約108億円の借入余力があり(会社試算による)、借入による機動的な外部成長を図ることが可能となる。これは、資本効率を高めて、更なるパフォーマンスの向上につながる可能性がある。とりわけ、日銀が量的質的金融緩和を長期にわたり継続すると見られていることは、LTVの引き上げの効果を高めよう。ただし、仮に金利動向が不安定となる事態があれば、投資口価格のボラティリティ(変動性)が上昇するリスクには留意する必要があろう。
なお、KDRが15年3月に首都圏の物件に対する優先交渉権の取得を発表した際には、投資口価格は上昇した。今後も、このような動きがあるのか注目される。
KDRの投資物件は、首都圏や地方の主要都市にある、中堅から大型マンションが中心。誰もが一等地と認める地位(じぐらい)の高い土地や、生活周辺施設(公園、商業施設、病院)などへのアクセスが良い生活利便性の高い土地を、同社は「人を惹きつける力」のある物件をして注目している。なお、各物件への投資比率は比較的低く、この観点では一定のリスク分散効果が期待できる。
物件1
物件2
物件3
物件4
物件5
2015年04月22日時点
項目 | データ |
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銘柄名 | ケネディクス・レジデンシャル投資法人 |
略号 | KDR |
コード | 3278 |
設立 | 2011年11月 |
上場 | 2012年4月 |
決算 | 1月・7月 |
運用会社 | ケネディクス不動産投資顧問(株) |
資産管理会社 | みずほ信託銀行 |
投資対象 | 賃貸住宅中心 |
系列 | 独立系(米ケネディクス) |
総資産 | 1,323億円 |
純資産 | 588億円 |
投資口 | 279,122口 |
時価 | 364,500円(15年4月22日) |
時価総額 | 1,272億円(15年4月22日) |
52週高値 | 399,500円(15年1月16日) |
52週安値 | 221,400円(14年5月16日) |
売買単位 | 1口 |
格付け | A(JCR) |
投資主 | 日本トラスティサービス信託口 (27.72%) 資産管理サービス投信口 (9.16%) |
主幹事証券 | 日興、メリル、野村、大和、みずほ、UBS |
※財務テータは15年1月末現在
決算期 | 項目 | 単位 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
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1月 | 営業収益 | 百万円 | ━ | 1,114 | 3,616 | 4,241 |
当期純利益 | ━ | 463 | 1,632 | 1,739 | ||
1口当り分配金 | 円 | ━ | 6,145 | 6,756 | 6,232 | |
7月 | 営業収益 | 百万円 | 553 | 1,135 | 3,743 | 5,168 |
当期純利益 | 254 | 406 | 1,457 | 2,147 | ||
1口当り分配金 | 円 | 3,378 | 5,390 | 6,033 | 6,150 |
※15年7月は会社予想
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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